Learn from Experience & Letter
経験者から学ぶ&交換留学派遣生からの便り

辻 安希子

中国

言葉によらない意思疎通の大切さ

辻 安希子さん

経済学部 経済学科
留学期間:2013年5月26日~6月9日
留学先:西南大学(短期派遣)

留学先大学について

西南大学は、北京から飛行機で3時間ほどの重慶という商業都市に位置する総合大学です。哲学、経済学、法学、教育学、文学、歴史学、理学、工学、農学、管理学など主要な専門課程11学科が揃っており、中国最先端のレベルで学習できる学科もあるそうです。私が訪れたときに日本人の留学生に会うことはありませんでしたが、他国からの留学生は非常に多いそうで、アジア系、西洋系問わず様々な国籍の人がいました。

大学については、敷地面積にがかなり大きく、学校内を移動するときにはバスやタクシーを利用することもありました。また、学内には生徒のための寮がいくつもあり、そこで4人でひとつの部屋をシェアしている学生がほどんどだそうです。大学の周辺にはスーパーマーケットや飲食店、衣料品店などがそろっており、生活に不自由することはありませんでした。

学習面について

このプログラムに参加している学生は、タイから3名、アメリカから6名、スリランカ、マレーシア、ベトナムから各1名、日本から2名の計14人でした。そのため、学習したものは、すべて英語の授業によるものでした。専門的な話になると何を言っているのか全く理解できず、どうしようかと思うこともあったが、分からないと言うと、先生や友達が丁寧に教えてくれ助かったのを覚えています。

また、日本語を専攻している学生がボランティアとしてついてくれ、地元の学生と関わる授業のときには通訳をしてくれたため、英語と彼らの助けのおかげで楽しく学習することができました。また、中国語の授業で学んだことは実際の生活の中で使ってみることもできる実用的なもので、充実した内容であったと感じます。

生活について

日によって異なってはいたが、毎日の基本的な生活を振り返ると、起床し、他の参加者と校内のレストランで朝食を済ませ、そのまま午前の授業に出る。授業が終われば昼食を食べる。午後は授業または重慶市内の観光であった。昼休みが長くとられており、その時間には友達と買いものに行ったり、喋ったりなどしていた。観光では世界遺産をはじめ、重慶にある文化遺産や中心部の訪問など様々なところへ連れて行っていただいた。夜はショッピングやカラオケ、また、バーに行くこともあれば、スーパーで買い出しをし、部屋や屋上で集まり、喋ったり歌ったりしながら皆で楽しんだりもした。

留学で得たこと

私はこのプログラムに参加し、順応性がついたと感じる。最初は、彼らの話している英語が速すぎて全く話についていくことができず悔しい思いをした。しかし、異文化交流の授業の中で、コミュニケーションの55%以上が言葉によらないものだと聞いたとき、どこかで大丈夫だと感じた。言葉は通じなくとも、笑顔とジェスチャーで何とかなる!と思ったのだ。

実際に他国の人と関わる中で、これらは大きな役割を果たした。元気にしていれば、私が理解できないことがあっても笑ってごまかしてくれたし、ジェスチャーを使えば簡単な英語だけで意味していることを分かってくれることもあった。また、外では手をつないで歌いながら散歩したり、その国でのゲームなど(日本だとアルプス一万尺など)をしたりなど、普段とは違うやり方でお互いの仲を深めることもできた。最後の日にはかなり仲良くなることができ、言葉がしっかり通じていないのにも関わらず意思疎通をはかり、中国での生活ができたことに驚いている。

このプログラムでは、同じ14人の仲間と行動し、お互いを知ることにより、様々な国の文化を学べた。2週間は短い間だったが、非常に濃く、充実した時間を過ごすことができた。

後輩へのアドバイス

私は他の国の文化を学ぶことが好きで、外国人たちと喋るとそのたびに新しい発見ができる。他国の文化を良いと思い憧れることもあれば、日本に生まれてよかったと自国の良さを知ることにつながることもたびたびある。

それを知るために英語を使うことがあるわけだが、いくら英語が達者な人でも、実際に外国人と対面し話すとなると、ためらってしまうことがあるそうだ。私はその逆で、外国人と関わりたいという気持ちさえあれば言葉が通じなくても意思疎通ができるということを伝えたい。

今留学をしたいと考えている人がいれば、まずは短期留学からでも、一度やってみることが大切だと思う。絶対に良い経験になるので、悩んでいる人がいれば思い切って行動に移してみてほしい。